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他人に考えさせてもらえるわけがない! [受験生たちへ]

高校時代に先生がぽつりと言った。

「中学校時代に塾に行っていた生徒よりも、行っていなかった生徒の方が伸びしろがある」と。

私が教えている生徒の大半は塾や家庭教師をつけていた子である。ただ、中には、そうではない生徒がいる。そういう生徒はかなり高い割合で伸び白を生かして成績上位に入っていくことが多いように思う。

理由はいくつかあるが、
①テクニックによらずに、自分の実力をつけていく傾向があるということ。
②自分で勉強をするというスタイルが確立しているということがある。

①テクニックを知りたがる傾向は、受験生にとって、おいしいやり方を知りたいということの中で求められているのかもしれない。しかし、高校の数学では、その背後にある理由がある程度わからないと、知識が長続きしないということの中で圧倒的な分量を消化することは通常の人間には困難である。

②自分で勉強するスタイルが確立しているかどうかはかなり重要らしい。「言われて勉強をすることが身に付いている」生徒は逆に「言われないと勉強しない」ということになっていくことが多い。「自ら進んで学ぶ」ということが、「何もしないでも(世の中は豊かだから)生きていくことができるのではないか」と錯覚している受験生は多い。実際、「勉強なんてしなくても何とかなる」と思っている人間の何と多いことか。

塾や家庭教師が1つの学習する動機になっている場合、大変すばらしいものである。しかしながら、それに頼る生活を勘違いしてしまうと、他力本願になり、自ら思考することなしに学習を使役されることで学習をした気になり、学ばなくなってしまうということが多い。


それは物事を考える力を身につけさせたい大学の欲しい人間像ではないということである。

とは言え、それを突き詰めると「学校なんていらない」という論になる。指導者側の論理として、「どこまで考えさせて、どこまでを教えるのか」というバランスの上に成り立っているのだとは思うが・・・。受験生にとっては、すべてを教えてもらおうというのは、学ぶ姿勢としてよろしくないということに早く気がついて欲しいものである。何度も何度も考えて、その結果として自分のものになるという経験の積み重ねであることに気がついて欲しい。自ら学んできた生徒には、それが身に付いている場合が多いのである。


定期試験中に高校に入学したての生徒が「その問題は習っていないのでできません」と手を挙げて質問する生徒はその典型と言えよう。
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plain

初めまして。

①②ともに、同感ですね~。
でも、「その背後にある理由がある程度わからないと、
知識が長続きしない…」
この背後にある理由が面白いとかへぇ~、とか思えないと、
ちょっと厳しいのかもしれませんね~。
by plain (2011-06-02 23:40) 

留数

 まさにその通りですね。

 中学入試にせよ,高校入試にせよ,塾で手取り足取りやっているからなのか,希望の学校に入ったけど「考える力がついていない」「塾でやってくれたようなやり方でないと勉強できない」などということになるのでしょう。

 教師の仕事は動機づけである,というのはよくいったものですが,はたしてそのようにできているものかどうか・・・。
by 留数 (2011-06-03 07:16) 

bashy0322

>plainさん
 ありがとうございます。
 背後にある理由に強いモチベーションなり、興味・関心がないと厳しいですね。

>留数さん
 自分は悲しいことに塾に行ったことがないのでわからないので推測になってしまいますが、塾ではできるようになっているのも事実です。「外発的動機付け」によって何とかそこまで持っていっているのでしょうかね。それができているのならば、その塾は塾で立派です。

 豊かな時代の中では、有能な生徒に限って「別に国公立大学でなくてもいいじゃん」と言ってのけてしまうわけですから、学校の役割とはなんぞやということになるのでしょう。関心・意欲・態度の育成を掲げて久しい学校教育ですが、評価しにくいものを評価の対象にしなければいけないほど、世の中は、豊かな時代の中で動機付けを見つけることの難しさを痛感しながらも、それを求めているのでしょう。

 でも、どこまでそれができるのやら・・・誘惑は山ほどあります。
by bashy0322 (2011-06-04 07:42) 

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