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わかるところにまで落とし込まないと意味がない [進路指導]

本校では、あるコースでキャリア教育をしている。週に1単位。学校設定科目だ。

今の生徒達は経験が少ないのに加えて、情報がない。しかも専門的なものなので間接的に知ることも難しい。それで職業を選択できないという話をよく聞く。だからなのか何なのか、キャリア教育は1つの流行とも言える。大学・短大・専門学校・高校・中学校・・・やっている教育機関は無数にある。

高校では、多くの総合学科を抱えているところもキャリア教育のカリキュラムを作っているようだ。そこで大事になるのは、生徒の実情を的確に理解しているかどうかだ。その時には、「これぐらいわかっているだろう」という前提をいかにして外すかがカギになると思う。これまでの経験上、今の生徒には非常に基本的なところから学ばせる必要がある。仕事とは何か、大学とは何か。下手をすれば文章にはふりがなが振ってある。読めて意味がわからなければその学習をすることに意味がないからである。意味がわからないのであれば同じような内容で小学生の読み物の方が生徒にとってはいいのかも知れない。「高校生だからこれくらいわかるだろう」という前提も疑ってかからなければならない。


この時期は推薦の指導に向けて活動が本格化しているところもあるだろうが、この手の話というのは、表面的に書ける文章を書いても、それが自分の実感としてきちんと理解できていなければわかったことにならない。専門用語をきちんと知っているかというレベルはまだ良い方の話だ。生徒の実情をきちんと理解できるかどうかというのは、こちらが思っているよりもはるかに生徒は知らないということをきちんと認識する必要がある。教師にも「ここまでレベルの低いことはプライドとして指導できない」ということもあるかも知れないが、今の生徒にはとことん知らないことも十分起こりうるのである。案外そういうことも多いのではないか?また、そうしたプライドで指導したところで生徒に何も残らないのであれば、その指導には「意味がない」と言うことになってしまうのである。それは教師の自己満足だ。

わかったように思わせることは形だけであって、それがきちんとわかるところにまできちんと落とし込んでやらないと、結局形だけの文章を書かせても太刀打ちできないし、それが自分の将来を決めるようなことに発展する可能性は低い。そのことをきちんと指導する教師というのは、形だけを取り繕うような指導者ではなく、生徒の状態を的確に把握できる教師である必要があることは言うまでもない。
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