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2013センター試験数学ⅠA・ⅡB総括 [教科(数学)指導者として]

2013年のセンター試験が終了した。

例年、全国の指導者の方とセンター試験の問題の過程などを見ながら、教え子はどこで躓きそうかなどの勝負の分かれ目を見ることにしている。協力してくださった方々には感謝申し上げたい。


今回の最大のポイント・・・
・数学ⅡBで「図形と方程式」の問題が出た。これは、問題の最初であっただけに、受験生へのインパクトは大きかった。動揺したあまり、大きく欠点したかもしれない。出ないとは言っていないから文句を言う話でもないが・・・。

その他気になったこと
・数学ⅡBの数列で「数学的帰納法」の問題が出た。よく知る人にとっては、「ラッキー問題」といえるくらい計算の必要がなく、例年よりも少ない時間で取り組むことができる問題であったが、「出ない」と思っていた受験生にとっては厳しい結果になったのかもしれない。

・今年はずいぶんと図形の問題が多かった。第1問の論理と集合の分野も図形。図形全般が苦手な受験生は困ったに違いない。差がつく分野で、中学校の知識などもきちんと繋がっていないと三角比は先に進めなかった。中学校の初等幾何的な問題ができるかどうかが三角比で高得点をとる鍵である。指導者の方々からは、この三角比の問題が数学ⅠAの中でもっとも差がついたのではないか、という見方が強い。三角比よりの問題というよりかは、平面幾何よりの問題であり、なかなか取っつきにくかったのではないかと思われる。三角比寄りの問題とは、どちらかといえば公式でさばけるのだが、平面幾何の問題は、平面幾何の問題は問題文を正しく読み、見やすい図をかけること、正しく見ることができる力がないと解けないなど、意外とハードルが高い。

・2次関数の「3点を通る2次関数のグラフ」の問題で文字がらみのものがあった。ありそうで、実はあまり見たことがない。同様の問題が微分・積分の問題にあった。同じような解き方をする問題が同じパッケージに複数あるのはあまり好ましいことではない。

・積分で6分の1の公式の中が使えるのはありがたいことなのだが、文字係数があるのでその扱いに注意しないとミスる設定になっていた。

・計算の過程で、因数定理、3次方程式の解と係数の関係をにおわせる問題、複雑な因数分解を解かせる問題も散見された。それ自体がテーマになるのではない。大きな問題を解くために途中にちりばめられている。複雑な計算をサクサク解けるようになるためには、ある程度の力をつけないと厳しい。

・ベクトルは久しぶりの平面ベクトルであった。計算量が減った。

・確率の問題が易しかった。満点が欲しいところ。


この問題から受け止められるメッセージ
・センター試験だけに特化して勉強するのではなく、記述を含めた2次試験対策のような勉強をする必要性を再確認すべきである。どんな分野も教科書に書かれている内容は「出ない」とは言われていない。
・単純に公式の暗記やおいしいノウハウで乗り切ろうと思ってもダメで、「考える力」を問いたいのだろうな、ということである。6分の1公式の文字係数aをきちんとかけることができたか。数学的帰納法のような問題で問うという方法もあるということを示してくれた。ノウハウで乗り切ろうとするのは難しい。特に来年度は現行カリキュラム最終年度なので再び難しい問題が出たり、これまでの傾向を破る可能性もあるのかもしれない。平均点は、だいたい55点から60点を切るところではないかと思っているが、どうなるだろう。
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コメント 4

留数

 コメントで触れられていない点でそのほかに大きかったのは,1Aの図形の問題ですね。三角比を使う場面が少なく,最初の難所はむしろ高校受験生の方が見慣れている題材ですから,大学受験生には盲点だったことでしょう。

 1Aで点を取ってはずみをつけて2Bへ,というつもりの受験生も多かったでしょうから,この出題はショッキングだったでしょう。センターの出題分野を信じ切っていたのは,受験生のみならず指導者にもある程度いるでしょうから,そういう人たちに対しては今回のセットはかなり強烈な一石を投じているとさえ思います。

 出題バランスであるとか,気になる点は多々ありますが,そこまで悪問というわけではなく,個人的には「いい意味で期待を裏切っている」という感じで内心ほくそ笑んでいますが,今回の出題を受けて「反省」する人たちは多いでしょうね。
by 留数 (2013-01-21 08:59) 

bashy0322

ありがとうございます。
数学ⅠAの第3問がなかなか思い通りに行かなかったようですね。2つ目の設問で苦戦した生徒が多かったというのは、その通りだったようです。でも、そんなに難しかったかな・・・とも思います。各予備校の平均点は、ここの問題の先に行けた割合をどう読むかのような気がしました。

強烈な一石は受験業界の中では必要なことだったのだとは思いますね。ただ、それで人生が変わるほどの衝撃があったかもしれませんが、「出ないというルールはない」わけで、油断は禁物ですね。

結局は、「数学の学びの王道を行く」のが一番正しかったと言うことになるのでしょうか・・・。
by bashy0322 (2013-01-21 20:28) 

kinopy

こんばんは。
月曜に塾生からヒアリング+点数集計しました。

私の予想に反して三角比でコケた生徒がいなかったです(^_^;)
予想が外れて良かった(笑)
ただ,全員1Aの方が2Bより低い点数でした。

他には今年は英語の点数が高く,現代文でコケた生徒が多かったですね。。。
by kinopy (2013-01-22 03:11) 

bashy0322

私の知る限りでは、三角比(?)の2つ目でこけた生徒が多かった・・・。

1Aの方が2Bよりも低い点数ですか。それはうちも似たようなものですね。

河合の予想した点数に平均点は近いのではないか、という情報がちらっと入ってきました。数学ⅠA、そんなに難しかったかな・・・?指導者だからできて当たり前というところなのでしょうけれども。
by bashy0322 (2013-01-22 18:17) 

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