SSブログ

大学入試共通テストから見えるもの [教科(数学)指導者として]

初めての大学入試共通テストが終わった。
数学の問題について、思うところを書いてみようと思う。

かねてから言われている通り、実際の場面で話になりそうな話題ということなのか、その問題設定を理解させるために文章の分量が多くなった。この分量が増えたことは受験生にとって結構な負担になったと思う。緊張して頭の中に言葉が入ってこないと大変だなという思いを持った。

次に、ここまで問題の見た目が変わってくるとこれまで取り組んできたような、参考書や問題集を解くことの意味が問われてくるのかもしれないと感じた。取り組む意味がないとは言わないが、チャート式に代表される参考書や問題集の意味が問われると思う。それと、今回のような問題をつなぐことを考える必要があるのかどうか、ここまでくると、早期教育の重要性がことさら大きく意味を持ってくることなのかもしれないなと思う。

言語をどう獲得するか、とか、習慣として長い文章を読むことなどの必要性という、これまで学んできた数学とはまた違う話になってくるのかなと思う。

そもそも数学とは、ある意味数学の世界における抽象の世界の中で、どのように考え方を作り上げるかということを突き詰めることに意味があると思う。そことはまた違った世界の話が出てくることによって、数学という学問が違うものになってしまわないのか、ということがいささか心配である。そういう世界はきちんと残す必要があるだろうに、というのは数学を曲がりなりにも学んだものとして思うことなのだが、世の中の流れとは違ってしまうのだろうか・・・。

壮大な話をすると、数学を学ぶことの意味が問われた今回の共通テストだと思う。
nice!(11)  コメント(2) 

nice! 11

コメント 2

留数

 予想に反して,受験生もがんばったようで,平均点は昨年よりも少し上がるようですね(昨年との比較が必要かどうかということもありますが)。
 とはいえ,初年度ということもあってか問題は玉石混淆という感じですね。本質的なところをついていいなあと思うものもある一方で,ひたすら面倒なもの,(試行調査よりはだいぶ後退したが)会話などにせずにそのまま問えばいいではないか,というものも少なからずあります。
 新しい力を見たいという意気込みは分かりますが,客観式・限られた時間という意味ではこのぐらいが限界でしょうね。特に思考力を問うようなものは,短い制限時間で問うのには向いていないでしょう。
by 留数 (2021-01-20 20:29) 

bashy0322

>留数さん
コメントありがとうございます。センター試験の問題から、随分傾向が変わりましたね。解答が選択肢になるというのがけっこうあって、問題の記号を入れる場所の表示が変わったのが印象的でした。抽象的な問題がけっこう増えましたね。先生方にとって、数学の問題の学び方を変化させねばならないなという意識づけにはパンチのある問題もあったな、とも思いました。
初めてがこの問題で、平均点が思ったよりも伸びるのだなとも思いました。各校対策をしっかりと取り組んだということなのでしょうか。
1年目は各学校の進路結果が大きく変わるかもしれませんね。コロナもあったので尚更でした。今年は地方に進学する人が少ないという話もあって、大学の方も受験する地域がだいぶん変化しているようです。
by bashy0322 (2021-01-29 20:23) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。