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スーパー記憶術 [教科(数学)指導者として]

答えをまるごと暗記する。

私が中学・高校時代によく読んでいた雑誌・週刊少年ジャンプには、ときどき広告で脳みそから稲光が走っていて記憶する方法について書かれていた通信販売のような広告が出ていたことをなんとなく覚えている。そこに書かれていたのは確か「スーパー記憶術」という言葉だったと思う。

その言葉を使って、生徒に「スーパー記憶術」禁止例を出している。

同僚に面白い話をしてくれた先生がいる。

ある定期テストで「この問題を出すぞ」と言って予告通り、問題をそっくりそのまま出すと言うことを実行しようとしたらしい。そもそも、その是非はともかくとして、その先生は誤って、よりによって問題文を書くのを忘れたらしい。それをテストの巡回で生徒から指摘があって気がついたようなのだが、恐ろしいことに、特に質問をしなかった生徒たちは、その問題を正確に解いていた?のだそうだ。そんなに学力層が低くないはずの生徒がそのようなことをしたという話に少なからず衝撃を受けた。

なかなか興味深いエピソードである。

最近の私のテストはこの中から同じ問題を出すという心優しい設定の試験問題を出すことがあるのだが、記憶する問題が違っていて、違う問題の解答を答案に書く生徒もいる。問題にそういった設定がないのに、なぜその解答になる?という衝撃が走る。ただ、一方で、追い込まれた生徒があがく過程の中でこういったことは起こりえるだろうな、と感じてはいる。

あるいは、数学は過程が大切と言うことで過程を書けというのだが、答えを一発書いておしまいという生徒も少なからずいる。

後者の解答を私は「スーパー記憶術による解答」と定義した。そして私はその解答は「覚えていると言うことに敬意を表して1点だけ与える」と決めた。それでも点数がほしい生徒は答えだけを覚えてくる。賛美はあるかもしれないが、まあそこも差別化するために点数はあげましょう。

しかし、さらに超越した生徒はいるもので、無反応というゾーンの生徒の存在もある。事情はさまざまであろう。他教科の勉強が優先で手が回らなかった、アルバイトで怒られてやる気がなくなった、告白に失敗したのかもしれない。

一般の人たちには、学校の生徒の学力がどのようになっているのかはわかりにくいのかもしれないとは思いつつ、このようなケースは少ないと思われるのかもしれないと思われるかもしれないが、この層は着実に増えているのだとは思う。理由は簡単で、少子化により競争がなくなっているからである。何も努力しなくても世の中は戦力を必要としている。間違いなくそういう人たちも必要とされている。そういう中で勉強に価値を見いださせて、スマホでゲームをするよりも価値があることだと思わせて行動させるようにするのは至難の業だと思う。

まあ、久しぶりにそういった人たちの担当をする中で生徒たちと楽しく授業をやっている気がする。そこに至るのには少し時間がかかりましたけど。
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