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参考書のコンセプトを問題に見る [参考書・問題集対決]

勉強机には赤チャート、青チャート、ニューアクションレジェンド、FOCUS GOLDがある。それぞれの問題を比較しながら、まったりと問題を解いている。

だいたい同じような問題が並んでいると思う反面、細かいところを見ると、問題設定が違うなと思うところがある。

大きな1つが、コンセプトでこれを学ばせたいということが明確化されていて内容が絞られているか、少し欲張りに設定されているかという違いである。

問題には1つの問題で学ばせたいことが1つ掲げられていることが多いが、そこに付随して派生した内容をさりげなく突破できないと解けない問題もある。要するに、参考書の中でときどきちりばめられた派生する計算練習までさせて、実践力を養うところまで要求するかどうかである。

受験生にとってはどちらがいいのだろう。ときどき思うことがある。前者は、参考書の狙いが明確であり、わかりやすいという評価が得られる可能性が高い。しかし、一方で、どこのジャンルにも属さない考え方や問題を学ぶ機会は減ってしまう。後者は、参考書の狙いが明確でなくなって、その問題を通して学ぶべきことが見えにくくなる可能性がある。

このスタンスの違いは問題を比較することでわかる。

東京書籍の参考書や問題集は、1対1の度合いがかなり濃厚である。従って、初学者には学びやすい問題集が多い。店頭に出されているものが少ないのが残念だ。

FOCUS GOLDもその色合いの方が強い。


欲張り設定はチャート式である。ちなみに、4STEPにも同様の傾向がある。1対1の問題も多いがそうでない問題も少なくない。実践的な参考書・問題集を出そうということなのだろうと思う。購入の際には参考にしてみると、また参考書・問題集への見方が広がると思う。

欲張りなのがいいのか、1対1で学んで次のステップで実践的な問題集をするか、人によっていろいろな方法論で学ぶことができそうだ。
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数学高速トレーニング [参考書・問題集対決]

実家に帰省たときに、面白い参考書というか問題集を見つけた。

数学高速トレーニングというシリーズである。やさしめの教科書の内容を分かりやすく書いているようでいい。おまけに、出てくる問題が入試問題であるものもあるではないか。あまり東進の参考書は目を通していなかったが、興味深かった。

消費税が上がる前に購入することにした。現在数学Ⅲをやっているのだが、数学Ⅲを解く以前の問題として、三角関数と指数関数、対数関数の所が根本的に抜けている。そういう場合には、これで強化するといいなあと感じた。


















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学校用センター用分野別問題集 河合塾×駿台 [参考書・問題集対決]

河合塾と駿台のセンター試験問題集対決といっても、学校採用のための本のことなので、店頭にはない。

職員室で展開されるようなブログを目指しているので、この2冊を取り上げてみよう。
mondai.jpg


実を言うと、河合塾のこの問題集は今年、授業でほぼ全部解いたが、駿台のほうは全部解いたわけではないので、やや不公平である。そのことはお断りしておきたい。

右側の河合塾のセンター試験対策問題集のほうは、2013年とある。分冊のⅠA(税込750円)と、ⅡB(税込750円)で、年によって価格が変わる可能性がある。年毎に内容が変更されている。お金がかかっている分だけ、開設の部分が厚い。これは、河合塾の問題集のひとつの傾向といってよい。解答が丁寧で、くどいといわれることもあるようだが、そういうのが好きな人にとっては、いい問題集といえよう。この手の問題集はある程度自学自習ができそうなので、ほうっておいても、解答を見ればある程度の力があれば理解できるのに十分だ。その分高いというのは、この業界では仕方がない考え方だし、紙代と編集代がかかるのでもっともな話だ。
また、解いていて思ったのは、「ここを伝えたいんだ」というところが比較的見える形で出題され、何回か出てくることである。

左側の駿台のセンター試験ⅠAⅡB単元別問題集は、第3版とある。この中に150題が入っている。値段は税別で857円。河合塾の半額近い額だが、解答が答えだけと、「重要事項総チェック」なるものがついている。さすが駿台。
ただ、見本なので解答が答えだけなのかはわからない。解答が答えだけであれば、教師の話もよく聞くということなのかもしれない。もしもこの解答で授業をすることになれば、教師も解答を手がかりに指導しなければならないので、それ相応の力が求められる。そういう意味では、教師も一生懸命になっていいのかもしれない。この問題集はそれなりの手ごたえがある。ある程度指導者と学習者の層は高くなければいけない。ただ内容を見ていけば、確実に駿台の方が学ばせたい到達点は上だし、よく精査されていると思う。


この問題集を交互に生徒に買わせるというのもひとつの方法かもしれない。指導者の力かもりもりついていくに違いない。

国語や英語などの教科書を変更する学校があるが、それは、実は生徒ではなく、教師が勉強するために変えているところもあると聞く。その中で名作を集めてストックする、というのもひとつの方法である。

なお、これは私見ではある(究極的にはすべて私見に近い・・・)が、この手の問題集は、予備校から出されているものは安定感がある。やはり、目の前にいる生徒の力を感じ取り、それを問題に落としこんでいれば、いい問題集になるのは当然である。今回取り上げていない出版社にも多くの問題集がある。名作もあるだろうが、私はそういう意味において、ぜひとも予備校がかかわっていく度合いが高い問題集を強く勧めたい。
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2つの出版社から出されている4冊の傍用問題集の比較をしてみた [参考書・問題集対決]

夏休み中にある方から、「某出版社の傍用問題集の解答はひどい」という話を聞いたので、3次関数の極大値・極小値の問題で比較してみることにした。込み入った技を使う余裕がなかったので、これくらいで勘弁してほしい。

某S出版社の問題集A
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某S出版社の問題集B
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某T出版社の問題集A
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某T出版社の問題集B
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並べてみただけでも結構な違いがあるものと判明した。

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チャート式センター試験対策数学ⅠA+ⅡB 対 ニューアクションセンター 数学Ⅰ+A,Ⅱ+B例題100 [参考書・問題集対決]

記念すべき第1回として選んだのは、

チャート式センター試験対策数学ⅠA+ⅡB(数研出版)・・・以下チャート


ニューアクションセンター 数学Ⅰ+A,Ⅱ+B例題100(東京書籍)・・・以下アクション
です。

言うまでもなく、数研出版、東京書籍は教科書のシェアにおいて日本①②位のライバル会社です。ただ、参考書業界においては、「チャート式の数研出版」というイメージは、かつて参考書の種類が少なかったときに使っていた受験生(保護者の世代)に定着しており、そのイメージが強いので、参考書業界において圧倒的なシェアを持っています。

東京書籍はニューアクションシリーズで攻勢を図り、一時は逆転する勢いだったのですが、現在は、ニューアクションシリーズが店頭発売されなくなり、チャートの位置がさらに不動の首位になった感があります。いくつかの観点でこの参考書についての比較を行っていきます。

【難易度について】
(チャート)1問1問「単発」的な問題が例題として並んでいます。これは、現在インターネットなどのサイトにおいて、「例題だけを解く」という生徒が多いことを意識したものではないかと推察します。もちろん、問題のほうも収録されていますが、まとめて収録してあります。受験生の実力が年々下がってきている傾向を受け、かなり基本的な内容から単品で仕上げていこうというコンセプトを感じさせる作りになっています。
(アクション)1問1問の問題にひとつの流れがある問題が多く(単品集合問題もある)、ある程度の流れを意識した構成になっています。上位層にとって差がつくポイントになる後半の問題までの流れがしっかり作られており、後半の問題まできっちりとくために必要な問題が100題である程度カバーできる構成になっています。例題一つ一つの難易度がそれなりに高いです。

【配置について】
(チャートについて)例題1つに対して1ページが基本。ただ、例題1つに対して1ページだと、難しい問題の解説を強引におさめているように見えてしまうケースが見られる。「素早く解く!」という項目が興味深いが、紙面による解説には限界がある。ライブで指導者が伝えたほうがわかりやすいのは間違いないし、指導者の力の見せどころだ。センター試験では解答が丁寧でなくても答えの形でつかめるという要素がある。早く答える必要性のために厳密さを排除して教えることもやむを得ないが、そこに挑戦した姿勢が面白い。(あくまでもセンター試験で点数を取るという観点においてのみ)
(ニューアクションについて)例題1つに対して2ページ+問題がついている。問題が例題の類題になっており、「いまどきの受験生」にとって取り組みやすい。例題のパターンの組み合わせなのか、難易度も上手に設定されていて、「紙面が狭く苦しい」という印象をあまり受けない。解答もすっきりしている。

【総評】
(チャート)センター試験のユニットで解くことができるような問題をこの参考書で学び、具体的な演習問題はさらにもうワンランク上の問題集で・・・ということで作られた問題集だと推察した。そういう位置づけの参考書のニーズは大きいと思う。ただ、よりいいものを作ってもらいたいので厳しいことを言うが、参考書の中での難易度のばらつき(特に計算!)が非常に気になる。単品問題の集合体として、分野をきちんと区分けしているので、難易度のばらつきが出るのは致し方がないことではあるが、最初から取り組み成長していく受験生の成長を考慮に入れた流れという意味で、もう少しの工夫がほしい。
(アクション)ある程度の総合力を持っている生徒に向いている。他のアクションシリーズにもある「quick check」がうまく機能する生徒で、この問題集を使いこなすことができれば、かなりの実力がつくのは間違いない。例題100の中にある難しい問題に対しての対応まできちんとできるところはすばらしいが、使いこなすことができる生徒は世の中には少ないかもしれない。



※ ニューアクションセンター例題100は、店頭販売していない。東京書籍さんには店頭販売してくださるよう、お願いしたい。(学校で採用しているところはあると思うがそれではもったいない)
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