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相関は「強弱」か「高低」か

冬休みに入って、普段じっくりと考えられないことを考えてみよう。

数学の用語について、最近思っていることを考えてみよう。相関がある・ない。この前、久しぶりに授業で教えることになったときに、少し感じたことを調べてみることにした。

どこの教科書にも出てくる「相関がある」「相関がない」という表現。「ある」か「ない」かであれば、どちらかしかないわけだが、例えば、相関係数がどこからどこまでが「ある」というのか、どこからどこまでが「ない」というのかという定義はない。加えて、実際は度合いがある。併せて、相関は「強い」「弱い」なのか、「高い」「低い」なのか。

インターネット上では、さまざまな言葉が入り乱れているので、どれが正しい表現なのか、いまいちよくわからなかったが、やや「強い」「弱い」という言い方が優勢な印象を受ける。まあ、伝わればそのへんは「どうでも良い」という考え方の人が多いのかもしれない。

もちろん、インターネットの表現が正しいと言い切れるものではないのは、情報科教諭として再三生徒に伝えているものでもある。

少なくとも、高校の教科書で出てくる言葉からすると、教科書などの話をまとめると、相関は「強い」「弱い」と言うことが多いのはわかった。ただ、それも明確に定義されているわけではない。相関係数という大小を計る物差しがないとなかなか言い方が難しいものであることがわかった。教科書の採択について、言葉遣いを相関は「強い」「弱い」と表すように、という意見がついているのかもしれない。教科書がそうだから、「高い」「低い」が良いのか悪いのかということとはまた違うとは思うけど。

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なお、教科書よりも少し深い知識を得たい場合には、この参考書がおすすめである。教科書よりも厚いので、ボリュームがあるわけだからより深い知識が得られてしかるべきだとは思うが、良い参考書だと思う。この参考書でも相関は「強弱」で表されていた。


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コメント 4

tyuuri

 大学1年の時に習った山元周行先生(元北大教授)の『統計学要論』によると、定義(ア)xの値が増せば、それだけますますyの値も増すという傾向がある時、x、yの間には正の相関があるという。(以下略)ということで、一応定義はされていますね。「強弱」の表現は使われていませんが、ニュアンスとしてはそれに近いようです。
 ヤマゲン先生と言えば、私が習った1976年当時すでにいろんな意味で有名で、講義もユニークでした。
by tyuuri (2019-01-05 18:04) 

bashy0322

>tyurriさん
コメントありがとうございます。わざわざ調べていただいたようで感謝します。定義っで大事ですね。中学校時代に初めて出てきたときにはぼんやりしていて大したことと思いませんでしたが、数学に限らず、欠かせない言葉の1つですね。
by bashy0322 (2019-01-05 18:23) 

留数

 正の相関や負の相関はよいとして,その強弱というのは,相関係数(の絶対値)がどの程度だと強い・弱いになるのかというのはよく分からないですね。
 教科書などにこの分布のときには相関係数の値はいくつである,みたいな蘇散布図が載っていますが,“いわゆる”強い相関と呼ばれるような場合でも,わりと広がった分布になっているのが分かりますから,見た目からその数値を判断するときは気をつけた方がよいでしょう(我々の直感というか,先入観とはだいぶ違うとでもいうのでしょうか),ということは,教える際によく触れたものです。
by 留数 (2019-01-05 21:13) 

bashy0322

>留数さん
コメントありがとうございます。あと、プラスマイナスがあるので「大きい」「小さい」という表記も難しいですね。絶対値という生徒が苦手とする言葉も出てきますので、説明の際には注意が必要と感じます。
by bashy0322 (2019-01-06 14:18) 

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