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理系で国語ができる人間は強い [教科(数学)指導者として]

文系・理系を決める決定的要素は、数学ができるかどうかと思われるかもしれないが、もう一つの尺度として、私は国語ができるかどうかを強く推したい。

数学が強いのは当たり前の話である。センターで圧倒的な点数を取れる科目という位置付けになっているので、上位層は満点に絡みたいところである。ただ、国語まで勉強が進まずに、苦手科目のままセンター試験を受けるのか、そう出ないかは、志望校を決める際に決定的なものになっていくこともあるだろう。国語力が多方面に大きな影響を持っていることを踏まえると、この力は、中堅校どまりなのか、上位校を受けられるのかを分ける決定的なファクターであると言っていいと思う。

数学屋の私からすると、国語力があるかどうかというのは、数学の問題を解く際にも影響がかなりある。問題文をきちんと読み取る力、記述式の問題で内容を的確に書き上げる文章表現力など、少し考えればいくらでも出てくる。

どうしても、国語力は「日本人だから」というくくりの中で、対策されないで受験しがちであるが、国語の良し・悪しはそれまでの本人の年輪の問題も関わってくるだけに、大きな問題になってくるのだと思う。大きなくくりでいうならば、「人間力」そのものと言っていいかもしれない。

国語力の「ある」「なし」の大きなところを握っているのかは、きちんとした言葉の意味を知っているかどうか、それを的確に使っているかどうかだ。日常からそれを心がけることで、幅広い教養を身につけ、ぜひともバランスの良い人間になることを幼少の頃から身につけさせたいものである。それが一番の早道の気がする。

本当に国語ができる人間は、「国語の勉強はしたことがない」のひとことで終わってしまう。多分、そういう人には「わからないことがわからない」状態なのだろう。センター試験の国語で9割をとるような人たちはそういう人たちであることが多い。

高校生でそれまでの素地がない人はどうすればいいのか?

多分、粘り強く、言葉の意味を調べて、それを自分のものにするという地道な作業をしないと厳しいだろうな。時間がかかるだけに、結構きついし、国語ができない人は「なぜできないのか」という根本的な分析ができていない場合が多いので、そこに気がつける時期が遅いことと、人間力までいくと一朝一夕ではなかなかいかないということでの限界はある。どうしてそう思うかというと、自分も国語が苦手だったからである。

ただ、人生経験を経るなかで、それはだいぶん解消された気がする。今受験したら、もうちょっと点数は出るだろう・・・。


世の中には医学部再受験する人もいるようだから、受けて見ても面白いかもしれないが、1年間は勉強に専念する時間がないと難しいかな。


「37歳で医学部研修生の僕」を超えてしまうのでやめておこう・・・。主婦で再受験で合格するような方の話を聞くが、そういう時間があることがそうとう羨ましい。
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コメント 6

tyuuri

 語学と数学の力の相関は結構高いと思いますよ。そもそも、証明とは何を示せば良いのか、論点をえぐり論理で構成しなければなりませんから、ある意味国語力とも言えるかもしれません。
by tyuuri (2012-05-27 17:58) 

bashy0322

新しいカリキュラムに入って、数1の第1章に証明でが入りました。生徒たちは少々苦労しているようです。中学校までの教育のこともあるのでしょうが、「答えさえ出せば良い」という考え方が生徒の中に定着しているように感じています。国語力を図る前のところで決着したい人は、センター試験で勝負ということになっていくのでしょうね。正直、センター試験の数学は数学とは言えないですね。名称を変えてほしいと思う。
by bashy0322 (2012-05-28 07:12) 

rtfk

問題分が日本語で書かれているんですもんね(^w^)

by rtfk (2012-05-28 18:49) 

bashy0322

究極的なところ、問題の読み取りも含めて、国語力は他の科目にも連動してくるので、多大な影響がありますね。ただ、語彙という意味でいうと、国語以外の科目では影響は少ないのかもしれませんが。
間違いのない解釈という意味において、影響はあると思います。
by bashy0322 (2012-05-28 19:02) 

shira

 同感ですね。
 国語で一つ問題になるのは、中学校くらいまでだと正確な読み取りや正確な文章を書くことよりも、文章に感動することや感性豊かな表現を用いることを、周囲がつい高く評価してしまうことです。小中学校で作文の得意だった生徒は高校で小論文が書けないことが多いし、小中学校まで国語の評価が低かったのに、高校で高い能力を発揮する生徒もいます。高校以降は読解でも作文でも「正確さ」が要求されますから、感覚に頼ってきた生徒は結構苦労してます。
 で、その正確な言語能力のカギはbashyさんがおっしゃるように「きちんとした言葉の意味を知っているかどうか、それを的確に使っているかどうか」です。これは広い意味で言えば「語彙力」です。単語をたくさん使えるかどうかじゃなくて、一つ一つの言葉の表す意味概念をちゃんと理解しているかです。特に抽象的な言葉の場合、その意味概念を理解しているということは、ものごとを論理的に理解する力があるということですから、当然その力は理数系の学習にも反映するはずです。
by shira (2012-05-28 20:53) 

bashy0322

ありがとうございます。理系の問題の解決に言葉の使い方が大切なのは、教えるものにとって痛感するところです。問題を作る場合にも同様のことが言えますね。作問した問題が間違えた解釈が起こる文章だと困りますからね。
by bashy0322 (2012-05-28 22:14) 

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