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指導力とは何か? [教科(数学)指導者として]

生徒を上手に導く先生とそうでない先生がいる。

私学の場合には、その先生がその場所にいることができるかできないかということに直結している。良ければ残るし、悪ければ、次の年度、最悪、年度中でも「さようなら」ということもある。最近は、年度途中でもというケースを他校では聞く機会が増えてきているようである。

その差とは何なのだろうか、と最近考える。

公立の先生が退職した先生が務めるマーケットに、私学がなっている。あまりよくわからないが、どうやら、公立を定年退職した後に、私学に勤めると、若干年金などでいいらしい。ただ、あまりにもハードで音をあげることもあるようだ。その方々が、勤めたい学校と相性がいいか悪いかということも重要である。公立の場合には、さまざまな学校があるので、勤めている側のニーズというのがある程度受け入れられる可能性があるが、私立はそうはいかない。私立の場合には、向いていなければ辞めるしかないのである。

まあ、そんなこんなを見ていて思うのは、実にいろいろな指導のスタイルがあるものだということである。

そんな先生方を見て、指導力というのは、何なのか、探ってみると・・・。

1.生徒に勉強する題材を与えているが、基本的には聞くかどうかは学習者の事情であり、こちらには関係がないというタイプ
2.授業の工夫をもって、力を引き出そうとするタイプ
3.モチベーションをあげるようなアドバイスをして、それでみんなを引き上げようとするタイプ
4.強制力を発揮するタイプ
5.生徒の存在が危ぶまれるまで追い詰めるタイプ

などさまざまある。

1のタイプは基本的にはやる気が感じられず、非常勤講師などでいえば、すぐクビになるのは自明である。しかしながら、残念なことに恐ろしいほど多い。サラリーマン的な教員といえる。もっとも、教師はサラリーマンであるが。

2のタイプは意欲的ではある。生徒の事をよく分析し、取り組むいい面を持っているが、この場合もいい時と悪い時がじつはある。生徒への工夫をすること自体は否定されるものではないが、生徒に考えさせるというところまでいかないと、結局生徒の力は伸びないということになりかねない。生徒からの評判はいいが、成績を伸ばすところまでいけない。このさじ加減がじつに難しい。

3.モチベーションタイプは、受験指導などに聞く耳を持つようなタイプには有効ではあるが、そうでない場合には通用しない場合もある。ただ受験指導をするタイプの学校には1人はいないとしんどい。最近の生徒たちにとっては、このモチベーションタイプの先生がいるのといないのとでは大違いである。

4.「教育は価値観の強制であるから有無を言わさない」オーラを醸し出し、「言っても無駄」的な雰囲気を出すことで生徒に学ばせるタイプである。古典的なタイプではあるが、学校社会の中では存在していないと、理屈では相手にならないような屁理屈軍団には効果絶大である。生徒から理解されないだけに、孤立無援するタイプでもある可能性があるので、集団からもそのやり方への理解がないと苦しい。

5.生徒の存在を危ぶまれるまで追い詰められるのは、高校特有のものである。高校は義務教育ではないのだから、本人にとって最善の方法は、辞めることかもしれないし転校することかもしれないし、人それぞれであるということである。周りから理解されにくいこともあるが、1つの正論として成立しているのは確かである。場合によっては恨まれ役になるだろうし、嫌な役を買うのは本人にしても、不本意であろうが、それを背負うのはある意味、感謝しなければならないタイプなのかもしれない。

これらの人たちが同じようなタイプの人たちばかりでも指導は成立しない。ただ、集団のカラーがあるので、その中で多い・少ないは必要である。このバランスをいかにすべきか、まあ、そういうことなのだろうね。
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留数

 どういう職場でもそうですが,いろいろな役割の人が必要ですね。
 何が正解ということでもないのですが,学年団のようなものを考えると,一定数は事情を把握した人がずっと持ち上がる必要はあるでしょうが,残りはいろいろな人が入って来た方がいいかな,などということを最近は考えます。いろいろな人格に触れるということもありますが,他方でその教師が入ったことで救われる生徒もいるかもしれないからです。
 いずれにしても,チームワークが重要であることはいうまでもありません。自分が役割を果たせているとすれば,それは周りの同僚のサポートがあってこそですから。
by 留数 (2014-02-11 00:03) 

bashy0322

>留数さん
ありがとうございます。異なる人々が良い味を出せば、組織としては非常に良いですね。それを自覚できるかどうかと言うのも1つのセンスなのだろうとは思いますが・・・それを感じられないようでは、生徒の気持ちがわかるはずもないか。
by bashy0322 (2014-02-11 09:18) 

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